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防犯コラム

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2025年上半期の車両盗難状況

  • 1.メーカー、車種別の盗難状況
  • 2.車両盗難が増えている理由
  • 3.最新の手口でさらに危険に
  • 4.盗難から身を守るために

<1.メーカー、車種別の盗難状況>

引用元:警察庁ホームページ(令和7年上半期における車名別盗難台数の状況)

こちらは、メーカ・車種別の車両盗難台数を、2025年上半期と前年同時期で比較したものです。 表をみると、アルファードの台数はやや低下したものの、ランドクルーザー、レクサスRX、クラウン、ハイエース、ハリアーは大幅に増加しました。特にクラウン、ハリアーに至っては倍以上に増加し、依然としてトヨタ車の被害の大きさを伺えます。

また、この表にこそ記されていませんが、普通車・軽自動車をはじめ、小型~大型トラック、旧車を狙った犯行も発生しています。 これらの数は盗難による台数なので、盗難未遂や下見など、今後盗難へと繋がるであろう事案は、常に身の回りで数多く起こっていることが推測できます。

<2.車両盗難が増えている理由>

このように車両盗難が毎年増え続ける要因とは一体何なのでしょうか? 現在、海外では日本車の需要が非常に高まっており、盗難車の多くが海外へと流通されているのです。

かねてより国産車は高い機能性で世界でも人気なのですが、日本は車両の法整備も整っており、車検を通して車両の安全性が保たれています。さらに国土的な特色として、海外と比較して走行距離が短いこともターゲットとなる要因のひとつです。

またその背景には、経済制裁中のロシアや中東圏の富裕層からの需要のほか、新たな成長市場として注目されるアフリカ圏から、未舗装の悪路走行のための需要があげられます。

さらに昨今の半導体不足により、中古車の価値も非常に高騰していることが、盗難により拍車をかけているといえます。

車両には、それぞれ車体番号が管理されているため、通常であれば盗難車を海外へ輸出することはできません。しかし、犯罪グループは別に用意した事故車と車体番号をすり替え、堂々と海外へ持ち出してしまうのです。すり替えができない場合でも、車体を解体し、パーツ単位で海外へ送られるため、車両が無事に戻ってくる保証は全くありません。

<3.最新の手口でさらに危険に>

車両盗難の手口も年々エスカレートしています。2016年頃に話題となったのが「リレーアタック」と呼ばれる手口で、キーから発信されている微弱な電波をリレーのように複数人で受け渡しながら、車両まで電波を経由し、解錠するという手法です。

そこから数年後に新たな手口として「CANインベーダー」と呼ばれる手口が使われるようになりました。これは車両のバンパー・タイヤ付近から小さな機器を接続して車両のシステムに直接介入し、意のままに操作するという手口です。その後メーカーも物理的対策を行っていますが、今度はドアに直接穴を開けて接続を試みるなど、まさにいたちごっこと呼べる状況が続いています。

そして、現在とくに注目されている非常に危険な手口が、キーエミュレーター(通称「ゲームボーイ」)と呼ばれる機器を使った方法です。キーエミュレーターは本来スペアキーを作るために使用される機器であり、海外では普通に販売している国もあります。当然、法に反する使い方は海外でも禁止されていますが、犯罪グループはこれを悪用し、わずか数秒という短時間で盗難を実行します。CANインベーダーと違い車両に手を加える必要がないため、今後増加する恐れがあり、さらなる注意が必要です。

<4.盗難から身を守るために>

車両盗難の多くは単独犯や突発的な犯行というより、組織的かつ用意周到に行われています。つまり車両盗難を防ぐためには、その場しのぎでは無いしっかりとした備えが重要なのです。

犯罪グループは実行の前にまずは下見を行い、盗難しやすい車両の目星を付けます。なかでも盗難をされやすい場所として指摘されているのが「公道沿いにある一軒家」です。その下見の際に利用されるツールの一つが、足を使わずに広範囲の駐車状況を確認できるGoogleストリートビューです。そこで、普段から車両を人目に晒さないためにも自動車用ボディーカバーによる目隠しは有効です。

同じく、下見の際に効果的な対策のひとつが防犯カメラです。防犯カメラは犯行現場を記録するものとして認識されがちですが、下見対策としても効果を発揮します。前年の検挙数は認知件数の半分程度。つまり犯行現場を記録できても、そこから検挙へ繋がるかといえば、残念ながら答えはNOです。しかし防犯カメラを使ってあらかじめ下見の有無を認知しておくことで、今後の対策として有効な判断材料となります。ここで重要なのは設置場所です。設置場所やカメラの機種によっては、犯行の際に対策されてしまう場合があるからです。防犯カメラの設置には、専門的な知見を持った「防犯設備士」へ依頼されることをおすすめします。

また、盗難防止用品としてハンドルロックやタイヤロックといった製品も市販されています。物理的に車両をロックするため一定の効果は見込めますが、特殊な工具で切断されるなど、強行突破されるケースも少なくありません。そこで特に効果的な対策がセキュリティアラームです。システム内部から車両を保護することができるため、最も効果的であるといえるでしょう。もちろん、機種よって機能や価格も大きく異なるため、カーセキュリティに特化した専門業者へのご依頼が最善策です。

今後さらに増加が懸念される車両盗難ですが、オーナー様ご自身が高い防犯意識をもって、常日頃より盗難対策を心掛けておくことがなにより大切です。